イギリスの通貨であるポンドはFXでは「GBP」と表記されます。ポンドとアメリカの通貨であるドルの組み合わせは「GBP/USD」、ポンドと欧州連合(EU)の通貨であるユーロの組み合わせは「EUR/GBP」、イギリスと日本の通貨である円の組み合わせは「GBP/JPY」です。
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| ポンド GBP |
目次
【イギリスは金融の分野が発達した経済大国】
イギリスはGDP世界第6位、欧州では第2位の経済大国です。特に金融の分野が世界トップクラスに発達した国であり、世界3大取引所の1つに数えられるロンドン証券取引所が存在し、FXの取引高で見れば世界最大規模です。
イギリスの通貨であるポンドは嘗ては世界の基軸通貨であり、現在でも取引量第4位の通貨であり高い流動性を誇ります。
【ブレグジットとその後】
イギリスは2016年6月23日に行われた国民投票により欧州連合(以下「EU」と呼びます)からの離脱(ブレグジット)が決定しました。
イギリスがEUから離脱を希望した理由は、EUによる規制から解放されて以下の恩恵を受けて生活水準の向上させる事でした。
「移民の減少」
「公共サービスの充実」
「新たな貿易協定の締結による物流・貿易収支の改善」
しかし実際には以下の様な問題が起きました。
「GDP低下」
「移民の増加」
「事業投資抑制」
「貿易規模の縮小・輸出量の減少」
マイナス要素が目立ちますが、イギリスの金融分野の優秀さが健在である事や、次第にイギリス企業・イギリス政府が新制度に順応してマイナス要素の影響は緩和傾向にあります。
【ロンドンフィックス】
ロンドンフィックスは、欧州の夏時間適用時は日本時間の午前0時、冬時間適用時は日本時間の午前1時に実施されます。
ロンドンフィックスの時間及びその前後の時間はポンドの取引が活発になります。値動きの頻度が多く、短時間で大幅なレートの変動も起き易いので、スキャルピングで大きな利益を狙い易くなります。ポンド買いメインのトレードを行うのがお勧めであり、狙い目は大口が仕掛けて来る事が多い月末、特に期末(3月末・6月末・9月末・12月末)です。イギリスの輸出企業の決算の都合で大量のポンド買いが出易い傾向があります。
ロンドンフィックスのFXトレード戦略を詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
【ブレンド原油と相関性】
イギリスは北海油田を保有しており、ブレント原油(UKOIL)価格が上昇するとポンドのレートも上昇する傾向があります。
注意すべき点は、ドル高が鮮明な時やリスクオフ相場です。これらの状況に於いてはブレント原油価格が上昇局面であってもポンドが上昇傾向とはなり難いです。
ドルインデックスが下落傾向である時や、株式などのリスクオンで上昇し易いものが上昇している時がブレント原油価格とポンドの相関性が高まる時です。
【ユーロに連動して動き易い】
嘗てはイギリスもEUの一員であり共通の政策の中で行動を共にしていた仲であり文化的にも類似性がある事や、ユーロ圏と地理的に近く、貿易も盛んに行われている事からポンドはユーロと似た動きをする傾向があります。
イギリスの貿易相手の半分以上がユーロ圏の国であり、ユーロ圏の景気後退はポンドの下落要因になります。特にエネルギー価格の高騰の影響を大きく受けます。
【ポンドはリスクオン相場に強い】
ポンドはリスクオン相場で上昇し易い傾向があります。以下の4つがその要因です。
【金融市場の活性化】
リスクオンの時は株式などの金融商品への投資が活発に行われます。イギリスは世界トップクラスに金融分野が発達した国であり、金融市場の活性化はイギリスに大きな利益を齎します。
【原油需要の増加】
景気が良い時は物が良く売れます。売れた物を自動車や飛行機などで運ぶには燃料が必要です。燃料消費増加は原油需要の増加であり、原油価格の上昇や原油の売れ行き向上となります。イギリスは北海油田を保有しており、イギリス経済にとってプラスとなります。
【キャリートレード】
リスクオン相場では金利の低い通貨を売って金利の高い通貨を買って資産運用する(キャリートレード)動きが活発になります。ポンドは先進国の中では金利が高く設定される事が多く、金利の高い通貨を買う際にポンドが有力な選択肢と認識されています。
【欧州の地政学リスク緩和】
ユーロ圏と密接な関係にあるイギリスは、ユーロ圏の地政学リスク緩和による欧州全体の景気向上の恩恵を大きく受ける事が出来ます。
【ボラティリティが非常に大きい】
ポンドは他の主要通貨よりも投機目的での取引が多く、値動きが荒いという特徴があります。その為、短時間で大きな利益を獲得出来る可能性がある一方で短時間で大損のリスクも大きい通貨であると言えます。
明確な方向感が出ると順張りでどんどん仕掛けて行く動きになる事が多く、既に大きく動いた後でエントリーが出遅れてしまっても逆張りするぐらいなら順張りでエントリーした方が勝ち易い事が他の通貨より多いです。逆に言えば逆張りすると急激に含み損が膨れ上がるリスクが高い傾向があります。
東京時間は比較的値動きが穏やかですが、欧州勢参入後は値動きが激しくなるという特徴があります。
【イギリスの財政赤字と政局不安】
イギリスの財政は長期に渡り悪化傾向にあります。
イギリス政府は財政悪化を食い止める為に増税や社会福祉の削減を行いたい所ですが、増税すると経済成長への悪影響や富裕層の国外流出といった問題が生じます。他国と比べて税負担が軽ければリスクは低いと言えますが、残念ながらイギリスの税負担は既にかなり重いのが現状です。かと言って社会福祉の削減も国民からの反発が大きく、イギリス政府は難しい舵取りをしなければならない状態です。
今後イギリスの首相や財務相をはじめとしたイギリス政府がどの様な政策を打ち出すのかに注目です。
財政赤字という観点で考えると特に重要な経済指標は「英政府総債務残高(対GDP比)」「国内総生産(GDP)」「失業率」「貿易収支 」が重要です。
【ポンドと国債利回り】
金利が高いとその通貨を保有するメリットも高くなるので、国債利回りが上昇するとその国債を発行している国の通貨価値が上昇し易くなるという考え方がありますが、イギリスは慢性的な財政赤字であるという点を考慮しなくてはなりません。特に既に高金利で利払いが苦しい状態の中で更に大きく金利が上昇している時は寧ろ国債利回りと通貨価値は逆相関となりがちです。
英政府総債務残高(対GDP比)と、それに関連性が高いイギリスの「国内総生産(GDP)」「失業率」「貿易収支 」が改善傾向にある時であれば比較的英国債利回りとポンドの相関性は高くなります。他にもイギリス政府が財源の裏付けが無い大幅減税を行うなどの無理な政策を行っていないかも確認すべきです。
ドルインデックスと米国債利回りに相関性が見られる時のドル買いによるポンドの下落(又はドル売りによるポンドの上昇)も考慮しましょう。
【BOEの金融政策】
他の主要な中央銀行が最終的な政策金利の決定は中央銀行総裁(議長)が行うのに対してBOEはMPC (金融政策委員会) 参加者の多数決で決定されるので政策金利の数値だけでなく、その数値を決定する上での賛成と反対の数を確認して今後の利上げ又は利下げのペースを把握する事も重要です。
政策金利決定の際に公表されるMPCの声明文も確認しましょう。現状がタカ派かハト派かだけでなく、前回の声明文の内容から変化があるかを把握する事も重要です。
BOE資産購入プログラムは金融緩和政策の一環で、BOEが国債などの金融資産を購入して市場に資金を供給するというものです。経済の下支えが目的であり経済成長に合わせて資産購入の規模が縮小され、金融引き締め局面に於いては実施されません。
【重要度の高いイギリスの経済指標】
重要度の高いイギリスの経済指標の一覧です。水色字の経済指標は特に重要です。
製造業購買担当者景気指数(PMI)
サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
建設業購買担当者景気指数(PMI)
英中央銀行(BOE)金利発表
英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
BOE資産購入プログラム
英中銀四半期インフレ報告
消費者物価指数(CPI)
国内総生産(GDP)
失業率
貿易収支
英政府総債務残高(対GDP比)
【まとめ】
期末のロンドンフィックスでポンド買いメインのトレード推奨。
ブレント原油価格と正相関。ドル高やリスクオフ相場では相関性が低下。
ユーロ圏の影響を受け易く、ユーロと類似した値動きになり易い。エネルギー価格高騰に注意。
ポンドはリスクオン相場で上昇傾向。
ポンドが本格的に動き出すのは欧州勢参入後から。動き出すとボラティリティが非常に大きくなりがち。順張りで勝ち易く、逆張りは危険。
リスクオン相場がポンドと英国債利回りの相関性が高まる時。
BOEの政策金利決定の際は金利変更があったかだけでなく、賛成と反対の数も確認。
MPCの声明文は前回の内容から変化があるかを把握する事が重要。
#この記事は筆者(tetsuryu)の独自解釈であり内容の正確性を保証するものではありません。

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