FXの観点から見た日本及び円の特徴

 日本の通貨である円はFXでは「JPY」と表記されます。日本とアメリカの通貨であるドルの組み合わせは「USD/JPY」、円と欧州連合(EU)の通貨であるユーロの組み合わせは「EUR/JPY」、円とイギリスの通貨であるポンドの組み合わせは「GBP/JPY」です。

円 JPY
円 JPY


目次

【日本は世界有数の技術大国・安全国】

日本は「幅広い分野で高度に発達した技術を待っている」「インフラ整備が行き届いている」「治安が良い」「戦争が無い」「衛生状態が良い」「政情が安定している」といった多くの点で信頼性が高いと言えます。その信頼性の高い国が発行している通貨となれば通貨の信頼性も高くリスクオフに強いという特徴があります。

【リスクオフに強い】

日本は上記の【日本は世界有数の技術大国・安全国】で解説した通り、一気に国内情勢が悪化するリスクが低く安全資産としての需要の高さがリスクオフ相場に強い要因となっております。

国際情勢で見ても、現状では日本が戦争に直接関与するリスクは極めて低い事や、日本は世界中の幅広い国々に対して多額の資金援助や技術提供を積極的に行い友好関係を築く事に尽力している為、他国との関係悪化で貿易を拒絶されたり宣戦布告を受けるリスクの低さからも円は安全資産としてリスクオフ相場に強いと言えます。

日本は他国と比較するとインフレ率が低い状態が長期的に続いております。これは通貨の価値に対して物価が急激に高騰するリスクが低いという事です。他国、特に新興国が急激な物価高騰に喘ぐ中で日本は未だに日本の政治家が「デフレ脱却を最優先する」という発言をする事からも円はインフレによる通貨価値の著しい毀損が生じ難いという強みがあります。

【リスクオンに弱い】

リスクオン相場ではどんどん価値が上昇して行く見込みのある投資先へと資金が動いて行く事になるのですが、日本経済は長期に渡り低迷しており大幅な成長は期待出来ません。加えて金利も低い為、円はリスクオン相場ではインカムゲインとキャピタルゲインの両方で非効率と言えます。

【輸入依存度が高い】

日本は資源が乏しい国であり、特にエネルギー資源の約90%を輸入に依存しております。

資源を輸入する側である日本にとって資源価格の上昇はそれだけで痛手となりますが、資源価格が上昇している背景が供給が滞っている事が要因である場合は輸入依存度の高い日本にとっては特に苦しい状況であると言えます。

その為、資源価格が上昇すると円安となる傾向があります。

代表的なエネルギー資源の指標は原油価格です。主に流動性が非常に高いWTI原油のレートとその推移をチェックするのがお勧めです。

【日本の経済指標の影響は小さい】

円以外の主要通貨は自国の経済指標の良し悪しでレートが大きく動きます。

しかし円は日本の経済指標ではあまり動きません。

その理由は日本の経済指標が欧米の取引所が開場していない時間帯に発表されるが故に欧米の投資家達が反応し難いという事もありますが、最大の理由は日本の中央銀行(以下「日銀」と呼びます)が日本の経済指標の結果を受けても金融政策を簡単に変える事が出来ない状況に陥っているからです。

日本経済が他の国と比べて安定している事や不況に陥っても大規模な暴動や内戦といった問題が起きるリスクが低い国と認識されている事も影響しております。

日本の経済指標で円が大きく動くとしたら「日銀政策金利発表」と「日銀総裁定例記者会見」ぐらいなのが現状です。

【日銀の金融政策】

中央銀行の役割は物価の安定化です。一般的にはインフレすれば利上げ、デフレすれば利下げを行います。しかし日銀はインフレでも金融緩和継続から動けない状態に陥っております。

その理由は日本の公的債務が非常に高額となっているからです。

公的債務には利子の支払いが発生します。金利が高ければ高いほど利子の支払いは高額となります。現状は利子の支払いを含む日本の支出が歳入を上回っているので、その差額分を補う為に国債発行を行っている状態です。

日本経済は長期に渡り低迷しており、現状はその状態から抜け出す糸口が見えておりません。

つまり日銀が利上げを行う事があっても、金融緩和度合いの調整の範囲に過ぎず、短期間での大幅利上げの可能性は非常に低いと言えます。

【株式と円は逆の動き】

日本は長期間に渡り低金利政策を維持しており、高金利政策へ移行する兆しは見せておりません。

株式を購入するにはその株式を発行している会社が属する国の通貨で買う必要があります。例えばアメリカの株式を購入するならばアメリカの通貨であるドルが必要となります。

その資金調達の手段としてお金を借りる場合は直接ドルを借りるよりも低金利通貨を借りてその通貨をドルに交換した方が借り入れコストが低くなります。その際にお金を借りる通貨として選ばれる事が多いのが長期に渡り低金利であり続けている円です。つまり円売りをするという事です。これが株価上昇局面で円安傾向となり易くなる要因です。

逆に株価下落局面になると円高になり易いがあります。株価が下落するという事は株が売られているという事です。お金を借りて株式購入の資金調達をしていた場合は株式を売った際に借りていたお金を返済します。借りていたお金が円であれば株式を売った事で得たお金を円に交換(円買い)して返済する事となります。これが株価下落局面で円高傾向となり易くなる要因です。

株価上昇で円安、株価下落で円高傾向です。

【国債利回りと円の関係】

国債は国が元本を保証している金融商品である為、極めて安全性が高い投資先となります。しかしリターンが小さく大儲けを狙うには向かない投資先でもあります。

上記の理由からリスクオフ相場では資産価値の下落を防ぐ為に国債は買われ易く、リスクオン相場では大きなリターンを狙う為にリターンの小さい国債を売って株式などのリターンの大きい金融商品を買う傾向が強くなります。

円はリスクオフで買われ易い通貨であるが故に国債利回りの下落(国債買い)に連動して買われ易い通貨であると言えます。

逆に国債利回りが上昇(国債売り)すると円安となる傾向があります。特に米国債利回りとの連動性が高く、米国債利回りが上昇すると円安となる傾向がよく見られます。

【まとめ】

円が大きく動き易い日本の経済指標は「日銀政策金利発表」と「日銀総裁定例記者会見」

リスクオンで円安、リスクオフで円高

資源価格上昇で円安

日銀が大幅利上げを行う可能性は低い

株価上昇で円安、株価下落で円高

国債利回りの下落で円高


#この記事は筆者(tetsuryu)の独自解釈であり内容の正確性を保証するものではありません。 

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