アメリカの通貨であるドルはFXでは「USD」と表記されます。ドルと欧州連合(EU)の通貨であるユーロの組み合わせは「EUR/USD」、ドルと日本の通貨である円の組み合わせは「USD/JPY」、ドルとイギリスの通貨であるポンドの組み合わせは「GBP/USD」です。
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| ドル USD |
目次
【アメリカは世界のリーダー的存在】
ドルを発行している国であるアメリカ合衆国(以下「アメリカ」と呼びます)は世界経済の中心地であり、 クレジットカード・通信・情報・医療など幅広い分野に於いて世界トップクラスの技術を持っており、多数のアメリカの企業が世界中で多大な影響を及ぼしております。
国土が広く潤沢な資源があり、トップクラスの技術力に世界屈指の人口、ダントツ1位のGDPと世界最強の軍事力と非常に頼もしく、少子高齢化で人口減少が問題となっている国がある中でアメリカは現在でも人口は増加傾向であり、アメリカの主要な株価指数は過去数十年に渡り力強い右肩上がりとなっており、今までだけでなくこれから先も世界を牽引する大国として世界中から注目されております。アメリカのドルは最も信頼性の高い通貨として安定して高い価値があります。
【ドルは基軸通貨】
ドルは全ての通貨の中で取引量ダントツ1位の通貨であり、 他の通貨を介してではなく直接取引されます。以下のメリットがあります。
【テクニカル分析が機能し易い】
直接取引されるという事はドルを含まない通貨ペアに引っ張られる形でレートが動くのではなく、ドルの取引そのものがドルを含む通貨ペアの値動きに直結するということです。特に「ユーロドル」の取引量が最も多く、非常に沢山のFXトレーダー達は主に「ユーロドル」のチャートを見て取引しております。
あまり見られていない通貨ペアの場合はそのチャート上で一般的に買いのタイミングとして有効とされるチャートパターンが形成されても買い注文が殆ど出ないが故にあまり上昇せず、時を同じくして良く見られている通貨ペアで売りのチャートパターンが形成された場合、その通貨ペアでの大量の売り注文に引っ張られて上昇する所か大幅下落するという事もあります。
その点ユーロドルを始めとしたドルを含む注目度の高い通貨ペアは大多数の人達がその通貨ペアのチャートを見て売買のタイミングを計っているのでテクニカル分析の定石通りの動きとなり易いのです。
【値動きの頻度が多い】
取引量が多いという事はその分値動きの頻度は多くなります。これは取引チャンスが多い事を意味します。
【スプレッドが狭く安定する】
取引量が多い通貨ペアほどFX業者はカバー先金融機関から沢山のレートの提示を受ける事が出来ます。取引量上位の通貨ペアの殆どがドルを含む通貨ペアです。
FX業者はカバー先金融機関から提示された複数のレートを組み合わせてそのFX業者で取引しているトレーダーにレートを配信しています。
例えば、カバー先金融機関のA社から提示されたレートが
【ASK:110.065 BIT:110.051】
B社から提示されたレートが
【ASK:110.053 BIT:110.040】
の場合ですと、そのFX業者で取引しているトレーダーに
【ASK:110.053 BIT:110.051】
としてレートを配信する事が出来ます。提示されるレートが少ないと上記の様に複数のレートの中から狭いスプレッドの組み合わせを見つけて狭いスプレッドを維持する事が困難となり、FX業者としては原則固定スプレッドを広くせざるを得ません。
【リスクオンとリスクオフの両方に強い】
多くの通貨はリスクオンの時は買われ易い一方でリスクオフの時は売られ易くなります。しかしドルはリスクオンの時に買われ易いだけでなくリスクオフでも買われ易いという特徴があります。
【リスクオンで買われ易い理由】
世界全体が好景気であったり世界情勢が穏やかで消費が活発化する事で、インフレが進む中では価値が安定した安全資産の価値が相対的に低下して株式などの値上がりが見込める金融商品への投資が積極的に行われます。これがリスクオンです。
アメリカはクレジットカード・通信・情報・医療など幅広い分野に於いて世界のインフラを握っております。言い換えると多くの国がアメリカ企業が提供する商品・サービスに依存しております。有名所だと所謂「GAFA」と呼ばれる「グーグル」「アップル」「フェイスブック」「アマゾン」はいずれもアメリカ企業です。好景気で消費が活発になればこれらの商品・サービスをよく利用する人達も増えて行きます。つまり世界全体が好景気になればアメリカ企業がどんどん潤って行きます。
アメリカ企業がどんどん潤って行く事が明白であれば、アメリカの株式の需要が高まりその価値もどんどん上昇して行きます。アメリカの株式購入にはドルが必要です。つまりドル買いが活発になりドルの価値も上昇します。
【リスクオフで買われ易い理由】
世界全体が不景気であったり世界情勢が険悪化したりする事で、株式などの価値が変動し易いリスク資産から国債などの価値が安定した安全資産へと資金が移動します。これがリスクオフです。
アメリカは世界一の軍事力を持つが故にアメリカに真っ向勝負を挑もうとする国が現れるとは考え難く、万が一攻め込まれても負けるリスクが非常に低く、軽微な損失で勝利を収める可能性が他のどの国より高いと言えます。単純に強力な軍事力を保有しているというだけでなく、潤沢な資源を保有している事に加えて食料自給率も高く、物資を迅速に行き渡らせる高い技術やインフラ整備も整っているので戦争が長引いてもアメリカは比較的安泰と言えます。これが有事のドル買いが起きる要因です。
【アメリカ及びドルは情報取集が比較的容易】
アメリカ及びドルは情報取集が比較的容易で値動きが掴み易いというメリットがあります。主に注目すべきポイントを解説します。
【FRBの金融政策】
基本的にはFRB(アメリカの中央銀行)の金融政策とそれに関連する要人発言がドルの値動きに最も大きな影響を及ぼします。FOMCの内容とそれに関連した要人発言を確認します。
FRBの責務は物価の安定と雇用の最大化であるという事を意識して分析すると理解が深まります。
実際に利上げや利下げを実施したかどうかも重要ですが、実施するまでの思惑とFOMCの声明やFRB議長の記者会見での発言でドルが大きく動く事が多いです。注目すべき内容は
「タカ派であるかハト派であるか」
「市場の予想通りであるか」
「以前と異なる内容になっていないか」
の3つとなります。
【タカ派であるかハト派であるか】
単純に利上げしたからドル買いではなく、FOMCの声明の内容から今後も積極的に利上げする意思が読み取れるかが重要です。読み取れれば素直に順張りでドル買いするのが有効です。読み取れなければ利上げが実施された時に瞬間的にドル買いとなるも長続きせずにドルが大幅下落する事もあります。利下げの場合も同様です。
金利予測分布図(ドットチャート)が公表される場合はそれも確認すると尚良しです。
金利予測分布図とはFRBから公表される政策金利の予測です。年間で8回行われるFOMCのうち毎年3月・6月・9月・12月の4回で公表されます。政策金利が以前と比較して利上げ路線になっていればドル買い、政策金利が以前と比較して利下げ路線になっていればドル売りとなる可能性が高まります。
【市場の予想通りであるか】
FF金利織り込み度(FRBの政策金利の予想)で最も確率の高い政策金利と実際にFOMCで公表された政策金利が同じであるかどうかを確認します。違いがあるとドルが大幅変動します。違いが無くても複数の予想の確率が拮抗していた時に今後の方向性が示された場合は明確なトレンドが発生し易く順張りでトレードするチャンスとなり得ます。
FF金利織り込み度はFX業者のニュースなどで見る事が出来ます。
【以前と異なる内容になっていないか】
前回のFOMCやFOMCの時以外も含めてのFRB関係者の要人発言と、今回のFOMCやその後の要人発言の内容に違いがないかを確認します。
例えば今までは明確にハト派だったのに急にタカ派な発言が出ると、どちらかと言えばタカ派程度であっても大きくドル買いで反応し易くなります。逆に明確にタカ派であっても今までと同じ様な内容で新鮮味が無ければあまりドル買いにならない事もあります。
【米国債利回りとドルは強い相関関係】
ドルに限らず通貨価値と国債利回りには相関性がありますが、ドルと米国債利回りの相関性が最も如実に表れます。特に米国10年債利回りを見ながらトレードするのがお勧めです。米国10年債利回りが変動した際のドルのレートへの反映が速く、ドルの変動の方向性が掴み易くなります。
米国債利回りの上昇でドル買い、米国債利回りの下落でドル売りです。
【重要度の高いアメリカの経済指標】
重要度の高いアメリカの経済指標の一覧です。青字の経済指標は特に重要です。
「非農業部門雇用者数変化」は専門家でも予想が非常に難しく、結果が予想と大きく乖離した数値になり易くサプライズとなり、ドルが大暴れし易い事で有名です。
「米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利」
「FOMC声明」
「FRB議長定例記者会見」
「消費者物価指数(CPI)」
「卸売物価指数(PPI)」
「個人消費支出(PCEデフレーター)」
「ISM製造業景況指数 」
「ISM非製造業景況指数」
「ADP雇用統計」
「非農業部門雇用者数変化」
「新規失業保険申請件数」
「継続失業保険申請件数」
「失業率 」
「平均時給」
「国内総生産(GDP)」
「新築住宅販売件数」
「小売売上高」
「期待インフレ率(BEI)」
【まとめ】
ドルはリスクオンとリスクオフの両方で買われ易く安定して価値が高い。
ドルを含むメジャー通貨ペア(ユーロドル・ドル円・ポンドドル)はテクニカル分析が機能し易い。
FRBの金融政策とアメリカの雇用に関するデータは為替市場に絶大な影響を及ぼす。
米国債利回りの上昇でドル買い、米国債利回りの下落でドル売り。
#この記事は筆者(tetsuryu)の独自解釈であり内容の正確性を保証するものではありません。

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